本映画祭の特別招待作品。ドラマ。元レスリングをやっていた青年ソーン(スクリット・ウィセートケーオ)は、教師の仕事を探していたがなかなか決まらなかった。やっと決まったのは、電気もきていない山奥の湖にある水上学校であった。赴任してみると、前任者の女性教師エーン(チューマーン・ブンヤサック)が残していった日記があった。それを読むと、彼女も自分と同じく失恋していたことを知る。ソーンは、いつしか自分と同じ境遇に思えるエーンに思いを寄せるように…というストーリー。
GTH社作品。この作品に登場する水上学校(Floating School)は、実在している。作品の冒頭では、男性教師ソーンと女性教師エーンそれぞれの水上学校への赴任と生徒たちへの接し方が分からず困惑する様子、そして恋人との別れが交錯して描かれている。それが、学校に置いてあったエーンの日記で二人が結び付くというストーリーはとても見事だ。また、ソーンとエーンのそれぞれの恋の行方がどうなるのか?そして、ソーンとエーンの関係がどうなるのか?くっつきそうでくっつかない、恋の結末へのドキドキ感もおもしろい。
タイでは大人気の歌手スクリット・ウィセートケーオは、演技経験は豊富だが劇場用映画はこれが初出演。同じくタイを代表する女優であるチューマーン・ブンヤサックは、三年振りの映画出演。彼女は、日本で公開された「ミウの歌(ラブ・オブ・サイアム/サイアム・スクエア/The
Love of Siam)」<2007年>、「地球で最後のふたり(Last Life in the Universe)」<2003年>、日本の映画祭で上映された「ウモーン・パー・ムアン
- 羅生門(アウトレイジ/The Outrage)」<2011年>、日本でDVD化された「609 (ロクマルキュウ/Buppha
Ratree)」<2003年>、「ザ・パーク(The Park)」<2003年/香港>などに出演している。
興行収入は、US$3,060,661と大ヒットを飛ばした。第24回スパンナホン賞では、「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「主演男優賞」「主演女優賞」「撮影賞」「編集賞」「美術賞」「衣装デザイン賞」「特殊効果賞」「音楽賞」「主題歌賞」「録音賞」の13部門でノミネートされた。そして、「脚本賞」「撮影賞」「編集賞」「美術賞」「音楽賞」「主題歌賞」の6部門を獲得した。
ニティワット・タラトーン監督には、日本で公開された「フェーンチャン ぼくの恋人(Fan Chan)」<2003年/※共同監督>や「ターン・イェーク・ワット・チャイ(Tang
Yaek Wat Jai)」<2011年/※共同監督>、「ディアー・ガリレオ(Dear Galileo)」<2009年>、「ビター・スイート ボイド・ポット
ザ・ショート・フィルム(BitterSweet BoydPod The Short Film)」<2008年>の中の「プアン」「カム・マイ・キー・カム」、「シーズンズ・チェンジ(Seasons
Change)」<2006年>などの作品がある。原題は「学問を愛す」と訳すのか?