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第7回したまちコメディ映画祭in台東
< The 7th Old Town Taito International Comedy Film Festival >


[開催期間] 2014年9月12日(金)~16日(火)
[会場] 浅草公会堂、他
[URL] http://www.shitacome.jp/2014/index.shtml
[映画祭HPより抜粋]
 2008年11月、東京都台東区において誕生した日本初の本格コメディ映画祭「したまちコメディ映画祭in台東」(略称したコメ)。昨年第6回目を迎え益々の盛り上がりを見せるコメディ映画の祭典が今年も開催の運びとなりました。

 「したコメ」は、「映画(Cinema)」「したまち(Old town)」「笑い(Comedy)」という3つの要素を掛け合わせることで、映画人、喜劇人、地元の皆さん、映画・喜劇を愛する皆さんが一体となって盛り上がれる、これまでの首都圏の映画祭にはない住民参加型の映画祭を目指しています。
 日本有数の芸術・文化施設の集積地域「上野」と、日本の喜劇発祥の地であり、いまなお古き良き庶民文化が脈々と引き継がれている下町「浅草」を舞台に、浅草在住のクリエイター、いとうせいこう総合プロデューサーを中心に、「コメディ」を単に面白いだけのものに留まらず、芸能・文化・歴史など多角的な側面から捉えていきます。そして、世代を超えた多くの方々にコメディ映画に親しんでいただけるよう、国内外の新作・旧作・名作・珍作・異色作から選びに選び抜いた最上級のコメディをプログラミングしていきます。

 世界中で数多くの映画祭が開催されている今日、下町の活気あふれるこの映画祭を通し、世の中を元気にするような「にぎわい」を創り出していくことで、日本を代表する「文化・芸術のまち」、「昔ながらの下町」としての台東区の魅力を国内外に広くアピールしていきます。

<上映されるタイ映画>
[邦題] 愛しのゴースト(ピー・マーク)
[英題] Pee Mak Phra Kanong
[原題] พี่มาก..พระโขนง
[製作年] 2013年
[監督] バンチョン・ピサンタナクーン<Banjong Pisanthanakun/บรรจง ปิสัญธนะกูล>
[出演者] マーリオー・マオラー<Mario Maurer/มาริโอ้ เมาเร่อ>、ダーウィカー・ホーネー(マイ)<Davika Hoorne(Mai)/ดาวิกา โฮร์เน่(ใหม่)>、ポンサトーン・チョンウィラート<Pongsatorn Jongwilak/พงศธร จงวิลาส>、ナッタポン・チャートポン<Nattapong Chartpong/ณัฏฐพงษ์ ชาติพงศ์>、アッタルット・コンラーシー<อัฒรุต คงราศรี>、カンタパン・プームプーンパチャラスック<Kantapat Permpoonpatcharasuk/กันตพัฒน์ สีดา>、ウィワット・コンラシー<Wiwat Kongrasri/วิวัฒน์ คงราศรี>、Sean Jindachot
 ホラー・コメディー。事実だと信じる人も多いと言われる、タイの有名なホラー伝説「メー・ナーク・プラカノーン」の2013年版。マーク(マーリオー・マオラー)は徴兵され、身重の妻ナーク(マイ)を家に残して戦場へと赴く。しかし、マークが戦場にいる間にナークは死んでしまい、マークはそのことを知らない。負傷したマークは、戦友らと共にプラカノーンの自宅へと戻って来る。そこには、夫を愛するあまり、死しても幽霊となって夫を待つ妻と赤ん坊がいた。マークとナークは喜びの再会を果たし、マークは戦友達をしばらくの間離れに泊めることにした。マークらが村へ行くと、どうも知人たちの様子がおかしい。妻のナークが幽霊だというのだ。・・・というストーリー。
 GTH社作品。この題材は、過去に何度も映画化、TVドラマ化、舞台化がされている。タイトルが「メー・ナーク」ではなく「ピー・マーク」になっていることからも想像がつくが、今回の主役はナークではなくマークだ。
 この作品は、ひとことでいうととてもおもしろくて楽しめる作品となっている。最初から最後まで劇場内は笑いっぱなしだ。しかも、その笑いの取り方は、タイ映画お得意の下品なドタバタ・コメディーではない。これなら、タイ以外の国でも受けるに違いない。特に作品の冒頭では、編集の妙で笑わせてくれる。こういう作品は珍しい。もちろん、いい演出があったからこそ編集で笑わすことができたのだが。演出、脚本、撮影、編集がすばらしい。
 そして、出演者も良かった。特に良かったのは、マークの戦友達を演じた助演の四人(ポンサトーン・チョンウィラート、ナッタポン・チャートポン、アッタルット・コンラーシー、カンタパン・プームプーンパチャラスック)。見事に笑いを取っている。そして、愛妻家である主演のマークを演じたマーリオー・マオラーが、かわいらしかった。彼、以前に比べて演技がうまくなったと思う。
 ナーク役の女優マイは、「ファザーランド(Fatherland)」<2012年>に次いで映画出演は二本目の出演。TV出演は2010年からある。TVドラマ「ガオ・カーム・テープ(เงากามเทพ)」では主題歌も歌っている。今作公開年には21歳になる若手だ。ちょっと難しい役だったと思うが、怖さの中にかわいらしさを交え無難にこなしていた。
 冒頭の戦闘シーンはかなり迫力があった。だが、主人公たちが体に弾丸を受けているのに、(コメディー・シーンではないにもかかわらず)劇場内では笑いが湧き上がるという珍しい現象が起こった。それだけ、冒頭から観客を笑わせていたということなのだが。観客が笑いたくなる気持ちは分かる。残念だったのは、有名なマナオのシーン。あまりにもあっさりと流してしまっている。これだけすごい作品なのだから、何か工夫して見せてくれればより盛り上がったと思うのだが。
 作品は、正統派「メー・ナーク・プラカノーン」とはちょっと違った結末を迎える。こういう終わり方をする「メー・ナーク・プラカノーン」は初めて観た。また、本編終了後のエンド・ロール中に後日談が展開するのだが、これがまた傑作だった。
 この作品の中には、どうしても外国語に訳すことができないことばや習慣、言い伝え、歴史を知らない外国人には笑えない部分もあるが、それでも十分に楽しむことができる内容となっている。とにかく、楽しい作品に仕上がっている。
 挿入歌「ヤーク・ユット・ウェラー(อยากหยุดเวลา)」がとてもいい。この曲はオリジナルではなく、元歌は1991年のサランヤー・ソンサルームサワット(Saranya Songsermsawad/ศรัณย่า ส่งเสริมสวัสดิ์)のものだとのこと。

[Trailer]


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